【俺の温泉同好会 vol.5】
大晦日、除夜の鐘のあとで
ずいぶん前のことになるが、赤湯の蕎麦屋で聞いた話が、いまも耳の奥に残っている。
大晦日を赤湯で過ごし、家族や友人たちと新年を迎えるのが恒例の行事になっていた。温泉に入ってご馳走をいただき、テレビの紅白歌合戦から『ゆく年くる年』を見て除夜の鐘を聞き届けると、旅館の裏手にある八幡様へ元朝参りに出かける。雪をかき分け、冷え切った参道の階段を徒歩で登る。それが毎年の楽しみだった。
元朝参りの行列に並んで新年の挨拶を済ませ、おみくじを引き、篝火にあたって階段を下りてくる。その帰り足、細かい雪がちらつき始めた。
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