前回レポートした宮城県角田市の「となりの肉そば」で何やら新しい動きがあったと連絡が入った。となりの肉そばは、山形県河北町の郷土料理の冷たい肉そばが食べられるお店だ。その山形からかなり希少な旬の食材が入荷したようなのだ。さてさて、今回はどんな体験が待っているのか、さっそく足を運んでみよう。
となりの肉そばのおさらい
今回はとなりの肉そばのレポート記事の第二弾となるが、初めての読者のかたのために、となりの肉そばをさらっと復習しておく。前回記事をお読みの方は、ここを飛ばして次から読み始めていただきたい。
となりの肉そばは、宮城県角田市に2023年9月にオープンした、山形県河北町の郷土料理冷たい肉そばが食べられるお店だ。仙台市や福島市、山形市からは車で約1時間の場所にあり、その実力は本場山形県民のお墨付き。最近では近隣の市町村からのお客さんも増えているそう。そして、となりの肉そばといえば、店主が織りなす宮城角田発のオリジナル肉そばだ。前回紹介したローストポークがのった豚の鳥そばやぶっかけなど、本場の山形や仙台でも出会うことがない、となりの肉そばでしか食べられないメニューも多い。
そんなとなりの肉そばオープンからおよそ一か月がたった、少し霧がかったTシャツ一枚だと肌寒く感じていた朝。何やら特上の旬の食材を使った新メニューが出るとの情報が入った。
その名も月山舞茸!
むむむ、これはまたしても舌が喜ぶ予感しかない。でも、である。舞茸ってそんなに違いがあるものなのかとも、一瞬ネガティブシンキングになる。だが、店主の小林さんがわざわざフィーチャーするってことは、そういう事なのだろうと思い直し、さっそく足を運ぶことにした。
名前で何となく想像できるけど、月山舞茸って何?
先に言っておくが、月山舞茸は舞茸です。まさかここで躓く人はいないと思うが、気になるのは「月山」の文字のほうだ。おそらく山形の霊峰として有名な月山で採れたものだという事は察しがつく。月山舞茸なのに蔵王や鳥海山や、ましてや高尾山や富士山で採れた舞茸であるはずがない。。。私のどうでもいい前置きはこの辺りにするとして、月山舞茸とは、月山の麓で限りなく天然に近い環境で育てられた原木収穫の舞茸だそうだ。要するに、月山舞茸とは、月山育ちの天然舞茸に限りなく近い舞茸のことだ。
そして、実際に小林さんが月山舞茸の実物を見せてくれた。
なんか思てたんとちがーーーう!!!
こ、これ、舞茸ですか??
アフロ?
ちがうな、あれだっ、でっかいハチノス‼
巨大なハチノスを見た時みたいな、野生の造形の美しさに対する畏怖。これを食べれるのかと思うと、わくわくと同時に、なぜかちょっと怖い気もした。これが初めて食べる野生のものに対峙する人間の感情なのだろうか、などという大げさなことを考えながら、スーパーで見かける栽培物とのあまりの違いに見入ってしまった。
控えめに言って予想以上に希少だった月山舞茸
さっそく小林さんが月山舞茸を出してくれるというので、その間に良かったら見てみてと紹介されたのが以下の記事。
たしかに月山舞茸が限りなく天然に近いというなら、天然物の舞茸を理解していないと月山舞茸の価値は正しく把握できないだろう。ちなみに、天然の舞茸を食べた事がある人はどのくらいいるだろうか。かくいう私も恥ずかしながら天然の舞茸は口にした事がない。これが答えだ。唐突だがそうなのだ。おそらく日本人のほとんどが食べた事がない食材のひとつが天然舞茸。記事にもある通り、そもそも採取自体がきわめて困難で、相場が7,000円~10,000円/kgと超高額。普段の自分の生活圏内では、まず食べる以前に、お目にかかる事自体できない。だから天然舞茸を食べた事がない、と大の大人が言ってもなんら恥ずかしい事ではない。食べた事があるとしたら、むしろ自慢していいレベルの話しだとさえ思える。
で、記事によると月山舞茸は、肉厚で芳醇な香りが特徴で旨味さえ感じるという。なぜそうなっているかと言えば、やはりそこは月山の環境が鍵になっているようだ。標高が高く冷涼な気候のなかで、舞茸が時間をかけて育つため、じっくりと風味をたくわえ、たっぷりと厚みのある肉質になるのだ。こんな事を知ってしまうと、もう食欲が抑えきれなくなるのは、私だけではないだろう。
月山舞茸の天ぷらがヤバかった
ついにお目見え!
こうやって天ぷらに調理されると、やはり舞茸だ。さっきのワイルドな面影はなく、見知ったような舞茸に思えるが、よく見ればかさの大きさが違う。見るからに食べ応えのありそうな存在感だ。その味わいやいかに。まずは何もつけずにそのまま口の中へ。
うわぁ~ウマイなぁ~
サクッとした衣の中には肉厚で歯ざわりのいい舞茸が。なんともジューシーで甘い!一般的なはりはりとしてペラっとした食感の舞茸とは違い、肉厚で噛むごとに存在感を増す月山舞茸。そして豊かな香り。飲み込んだ後にも口内と鼻腔にただよう香りで余韻を楽しめるではないか。こ、これが芳醇な香りというやつか。スーパーの舞茸とは段違いだ。よし、次は塩を付けて食べるぞ。思った通りだ、加熱されて増した月山舞茸の甘みが、よけいに引き立つのが分かる。これはもしかするとスイカと塩以上の相性ではないか。あ、ヤバイ事に気付いたかもしれない。鳥そばの鶏ダシのスープに浸して食べたらとんでもない事になるのではないか。ヤバイ、これはヤバイだろう。絶対に間違いないやつだ。これまた個人的な楽しみが増えてしまった。
さて、この月山舞茸だが、年に一度の収穫でその年の出荷が終わってしまうそうだ。なぜならほぼ天然だから。この月山舞茸も食べれる期間は2週間くらいだそうだ。これはもう皆さん、ぜひとなりの肉そばに足を運んで、極上の旬の味を堪能してください。月山舞茸が採れる山形県でもほぼ出回らない代物が、となりの肉そばでなら味わえるのだ。
いかがだっただろうか、月山舞茸。この記事を最後まで読んでしまった方は、きっと、食べたくなったことでしょう。この「ここでしか食べられない」というのは、それだけで価値なのだ。しかもウマイとなればなおのこと。こういった旬の珍しい食材が味わえるのも、となりの肉そばの大きな魅力のひとつになっている。これからとなりの肉そばに行かれる方は、月山舞茸がある期間中はゲソ天は我慢して、ぜひ月山舞茸の天ぷらを頼んでみてほしい。経験したことのない味覚に出会えるはずだ。連載となるか定かではなかったとなりの肉そばレポートだが、早くも連載となった。これは、次回のレポートも案外早くやってくるかもしれない。そのときまで、じゃあまた。
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《ライダーさんも多数ご来店》
東北ルート66のライダー歓迎の宿としてお馴染みのゲストハウス66。お泊りのライダーさんもとなりの肉そばでランチを楽しまれています。他にもツーリングの途中に立ち寄られるライダーさんも多いそうです。となりの肉そば駐車場には、バイクを停めるスペースもありますので、安心してご来店いただけますよ。東北以外では馴染みのうすい肉そばですが、せっかくの東北ツーリングでご当地ならではのご飯を探されているならオススメです。宮城県でも冷たい肉そばを食べられるお店がじわじわと増殖中の次にくであろう東北のご当地グルメです。東北ツーリングのランチに、本場山形県民も唸った一杯をぜひ味わってはいかがでしょうか。
《アクセス》
仙台市中心部からは、高速道路を利用すると約50分でアクセスできます。また国道4号を走行すると仙台から約1時間です。福島市や山形市からも約1時間ほどでアクセスできます。関東方面からは、高速道路の場合は東北自動車か常磐自動車道、下道ですと国道4号線から国道113号に入り、角田駅方面に向かい、角田駅最寄りの信号のある交差点の角地がとなりの肉そばとなります。
●仙台市方面から:
(車)仙台南部道路長町ICから常磐自動車道山元ICへ~常磐自動車道山元IC~山元IC~県道272号線~県道44号線~国道113号線→角田駅方面へ
(電車)JR東北本線仙台駅~槻木駅乗換。阿武隈急行線角田駅~徒歩5分
●福島市方面から:
(車)東北自動車道福島飯坂ICから白石ICへ~東北自動車道白石IC~白石IC~国道4号線~蔵王さくらロード~国道113号→角田駅方面へ
(電車)福島駅~阿武隈急行線角田駅~徒歩5分
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