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猪苗代湖畔、水面を滑り、時の底をのぞく(第2篇)を公開

水面を這い、安積疏水の水門を潜る

国道115号線が終わり、49号線へ突き当たると、一気に観光地独特のざわめきが増す。 沿道には馬刺しの看板、土産物店、地ビール園、そして野口英世記念館。大型バスの影を越し、はくちょう丸とかめ丸が停泊する観光桟橋を横目に、私たちは湖畔の約4分の1をなぞるように車を走らせた。

目指すのは「小石ヶ浜」だ。

受付で係のおじさんに利用料を払い、浜へと入場する。綺麗な砂浜と松林が広がる、キャンプ場を兼ねたビーチだ。

日本の海岸や大きな河川の多くは国や自治体が管理する公有地であり、個人の事業者が勝手にフェンスを立てて「入場料」を取るような使い方は原則として認められていない。しかし、ここ猪苗代湖では、水際ギリギリまで「私有地(地番)」として登記された土地が点在している。

明治期以降の治水・測量の歴史のなかで、海や川ほど一括買い上げがなされなかった湖特有の背景によるものだという。地主や地元の組合がアクセス路や設備を維持管理し、私たちは利用料を払ってその「敷地」を通らせてもらう。まるでプライベートビーチのようなこの絶妙な立地感の背景には、そうした土地所有の独特なグラデーションが潜んでいる。

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