
春の畑の端で、同じものを二度見ることになる。
最初は、土から顔を出したばかりの、ふきのとう。
まだ低く、かたく、触れると少し湿っている。
三月の終わり。
苦味がある、と言われる前に、口の中に残る感じがある。
天ぷらにすると、それが少しだけはっきりする。
しばらくして、同じ場所に、別のかたちが立ち上がる。
花のあとに伸びてくる、ふきの茎。
四月の中頃。今度は高さが出る。
刻まれて、煮られて、油に触れる。
食べ方はいくつもあるが、どれも強く主張はしてこない。
同じ植物なのに、時間をずらして二度現れる。
その間にあるものを、まだうまく言葉にできないでいる。
舟山
