先日、財布を替えた。
理由は特別なものじゃない。
くたびれてきた、ただそれだけだ。
けれど、いざ使い始めてみると、
思っていた以上に気分が違った。
カードが減り、小銭が減り、
財布は驚くほど軽くなった。
同時に、頭の中も少し静かになった気がした。
旅をしていると、
「持たない」ことに慣れていく。
荷物が少ないと、
道を選ぶのも、店に入るのも、どこか軽やかだ。
暮らしも同じなのかもしれない。
何を入れるかより、
何を入れないか。
レジの前で財布を開く一瞬、
その人の暮らし方が、
ほんの少しだけ見える気がする。
高いか安いかではなく、
必要かどうか。
今の自分に合っているかどうか。
旅と暮らしの境目は、
案外こんなところにある。
今日もまた、
カウンターの向こう側で、
そんなことを考えている。


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