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60歳の先輩

先日、Panchのピアノをくみちゃんが調律してくれた。

いや、正確には調律を手配してくれた。

来てくれたのは河合楽器の菊池さん。

ここに来てからは二度目の調律になる。

このピアノは、もともとくみちゃんからの預かりものだ。

調律の日、彼女も立ち会ってくれた。

調律という作業は面白い。

普段は見えないピアノの内部が露わになる。

分解していく様子は、解体のようでもあり、手術のようでもある。

特殊な工具でキリキリと音を確かめ、

すべての鍵盤を一つひとつ整えていく。

こいつとの付き合いも、もう十数年になる。

台風で店が浸水しかけたとき、

みんなで持ち上げて底上げし、どうにか守ったこともあった。

たくさんの人が、このピアノを弾いていった。

音と一緒に、時間も積もっている。

おかげで、しっかり戻った。

いい音だ。

六十歳の先輩ピアノ。

まだまだ、ここで鳴ってもらう。